@bun_owi6:

Buns_236
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Thursday 13 November 2025 12:28:31 GMT
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「これ、いつの?」ドライブ中、彼氏が助手席の下から写ルンですを見つけた_「え?」信号が青に変わり、私は近くのコンビニに車を停めた_「どこにあった?」「下に落ちてた」彼氏は写ルンですを裏返した_「元カレのとか?」彼氏はこっちを向いて言った_私は目を逸らして「たぶん」と、つぶやいた_彼氏は写ルンですを見つめて「こんなとこにあったら、気づかないよね」と笑みを浮かべた_私は写ルンですを受け取って、「帰ったら捨てる」と後部座席に投げた_彼氏はそれを見て「ひどいことするね」と言った_私は「別に普通じゃない?」と、財布を手に取った_「飲み物買って来る」そう言って私は車を降りた_コンビニで飲み物を選んでいると、元カレの顔が浮かんだ_私は首を振って、ブラックコーヒーを手に取った_「いまはもう、ブラックが飲める彼氏だけでいい」そうつぶやいて、レジに向かった_2本のブラックコーヒーを抱えて、車のドアを開けると「カシャ」っと音が鳴った_目を開くと、彼氏が写ルンですを構えていた_「なに?」私が眉間にシワを寄せると、彼氏は閉じていた左目をゆっくりと開いて「1枚だけ残ってた」と、口角を上げた_私は溜め息を吐いて「ありえないんだけど」と、車に乗り込んだ_フロントガラスに映る彼氏に「元カレのだよ? 普通撮る?」と強く言った_「上書きだよ、上書き」彼氏は笑って目を逸らした_私は彼氏に身体を向けて「あのさ、勘違いしないで? 過去は捨てるタイプだから、私に上書きとか余計なお世話」と、ブラックコーヒーを渡した_彼氏はブラックコーヒーを受け取って「そっか、なんかごめん」と笑みを浮かべた_私は彼氏の肩に触れて「いつも冷たく見えるだろうけど、あんたがいちばんだから」と、背中を叩いた_彼氏は「ありがとう」と微笑んだ_そのあと、いつも通りの会話をして彼氏を家の前まで送った_「つぎのドライブさ、写ルンです買お」私は、車を降りる彼氏に言った_彼氏は振り返って、ゆっくりと頷いた_寂しそうに歩いて行く彼氏を見つめながら、私は「やっぱり、元カレの存在って邪魔だな」とつぶやいた_ブラックコーヒーを開けて、ひと口飲んだ_やっぱりまだ、口には合わなかった_それでも私は、ぜんぶ一気に飲み干した_その夜、私は彼氏にラインを送った_『さっきはごめんね』いくら待っても、既読は付かなかった_その翌朝も、夜になっても、返事はなかった_私は段々と腹が立って来た_元カレのものを発見させた私も悪いけど、それが嫌だったならちゃんと言ってほしかった_それから2日経っても、連絡はなかった_心配になって、彼氏の家に行ったけど扉が開くことはなかった_共通の友達に聞いても、彼氏とは連絡が取れていなかった_不安を抱えたまま1ヶ月が経って、私は彼氏が亡くなったことを知った_彼氏は病気だった_そして、私に手紙を遺していた_そこには、私への謝罪が書かれていた_『ごめん』やけに綺麗な文字に、私は腹が立った_『身体に異常が見つかったとき、もうすでに手遅れだった、最後に会った日、このことを早く話そうとした、でも、あんな顔されたから、言えなかった』_最後に会った日、写ルンですを向ける彼氏に、私は不機嫌な顔をした_その顔を見て彼氏は、言うのが怖くなったと言うことだった_私は手紙を握りしめて「言うのが遅くなったとしても、怒るわけないじゃん」と、涙よりも怒りが湧いた_普通伝えるべきだし、「ありえない」私は手紙を床に叩きつけた_封筒には、写真も入っていた_1枚目には、ペットボトルを抱える私が映っていた_それはあの日、偶然見つけた写ルンですで撮られた写真だった_恐る恐るめくると、元カレの姿は1枚もなかった_ぜんぶ日付が最近のもので、どれも私の後ろ姿だった_私がドライヤーをしているところや、キッチンで料理をしているところ、ソファで寝落ちしてる私の背中、ぜんぶ彼氏が撮った写真で、最初からこの写ルンですは彼氏のものだった_あのとき彼氏は『元カレのとか?』と嘘をついた_それは、いつか来る自分の立場を確認するためだった_そして『過去は捨てるタイプだから』と聞いて、彼氏は将来、私の邪魔にはならないと知って笑みを浮かべた_そのあと私が『あんたがいちばんだから』なんて言ったから、彼氏は病気のことを言えなくなった_あのとき、寂しそうに歩く彼氏の背中は、まだ迷っていたからだと気づいた_私は写真を床に落として、ひざから崩れ落ちた_写真をぐちゃぐちゃにして、彼氏のことを憎んだ_「病気のことを伏せるなんて、ぜんぜんかっこよくない」声を荒げた_「映画とか、小説みたいにしたかった? むりむり、さいていだから、こんな手紙まで残してさ、最後まで黙っててよ、ありえない、ほんとだいっきらい」そう床に手をついたとき、コーヒーを抱えた私が目に入った_車の中から撮られた私は、全然怒っていなかった_写真の中で私は笑っていた_『あんな顔されたらさ、言えないよ』それは、喧嘩になるからではなく、幸せそうに笑う私を失いたくなかったからだった_どんな状況でも、彼氏は私を笑顔にさせた_それくらい私たちは、愛し合っていた_だからこそ、向き合ってほしかった_あんなに愛していた彼氏は、もういなかった_彼氏の思惑通り、私は彼氏のことを嫌いになっていた_写真をばら撒いて、天井を見上げた_視界がぼやけて、声が漏れた_まぶたの裏には、彼氏の顔が浮かんだ_何度首を振っても、彼氏は片目を閉じて笑っていた『上書きだよ、上書き』隠せなかった本音だけが、私の耳には届いていた_悔しいけど私は、「ほんとむり……」それでも彼氏のことを愛していた_                
「これ、いつの?」ドライブ中、彼氏が助手席の下から写ルンですを見つけた_「え?」信号が青に変わり、私は近くのコンビニに車を停めた_「どこにあった?」「下に落ちてた」彼氏は写ルンですを裏返した_「元カレのとか?」彼氏はこっちを向いて言った_私は目を逸らして「たぶん」と、つぶやいた_彼氏は写ルンですを見つめて「こんなとこにあったら、気づかないよね」と笑みを浮かべた_私は写ルンですを受け取って、「帰ったら捨てる」と後部座席に投げた_彼氏はそれを見て「ひどいことするね」と言った_私は「別に普通じゃない?」と、財布を手に取った_「飲み物買って来る」そう言って私は車を降りた_コンビニで飲み物を選んでいると、元カレの顔が浮かんだ_私は首を振って、ブラックコーヒーを手に取った_「いまはもう、ブラックが飲める彼氏だけでいい」そうつぶやいて、レジに向かった_2本のブラックコーヒーを抱えて、車のドアを開けると「カシャ」っと音が鳴った_目を開くと、彼氏が写ルンですを構えていた_「なに?」私が眉間にシワを寄せると、彼氏は閉じていた左目をゆっくりと開いて「1枚だけ残ってた」と、口角を上げた_私は溜め息を吐いて「ありえないんだけど」と、車に乗り込んだ_フロントガラスに映る彼氏に「元カレのだよ? 普通撮る?」と強く言った_「上書きだよ、上書き」彼氏は笑って目を逸らした_私は彼氏に身体を向けて「あのさ、勘違いしないで? 過去は捨てるタイプだから、私に上書きとか余計なお世話」と、ブラックコーヒーを渡した_彼氏はブラックコーヒーを受け取って「そっか、なんかごめん」と笑みを浮かべた_私は彼氏の肩に触れて「いつも冷たく見えるだろうけど、あんたがいちばんだから」と、背中を叩いた_彼氏は「ありがとう」と微笑んだ_そのあと、いつも通りの会話をして彼氏を家の前まで送った_「つぎのドライブさ、写ルンです買お」私は、車を降りる彼氏に言った_彼氏は振り返って、ゆっくりと頷いた_寂しそうに歩いて行く彼氏を見つめながら、私は「やっぱり、元カレの存在って邪魔だな」とつぶやいた_ブラックコーヒーを開けて、ひと口飲んだ_やっぱりまだ、口には合わなかった_それでも私は、ぜんぶ一気に飲み干した_その夜、私は彼氏にラインを送った_『さっきはごめんね』いくら待っても、既読は付かなかった_その翌朝も、夜になっても、返事はなかった_私は段々と腹が立って来た_元カレのものを発見させた私も悪いけど、それが嫌だったならちゃんと言ってほしかった_それから2日経っても、連絡はなかった_心配になって、彼氏の家に行ったけど扉が開くことはなかった_共通の友達に聞いても、彼氏とは連絡が取れていなかった_不安を抱えたまま1ヶ月が経って、私は彼氏が亡くなったことを知った_彼氏は病気だった_そして、私に手紙を遺していた_そこには、私への謝罪が書かれていた_『ごめん』やけに綺麗な文字に、私は腹が立った_『身体に異常が見つかったとき、もうすでに手遅れだった、最後に会った日、このことを早く話そうとした、でも、あんな顔されたから、言えなかった』_最後に会った日、写ルンですを向ける彼氏に、私は不機嫌な顔をした_その顔を見て彼氏は、言うのが怖くなったと言うことだった_私は手紙を握りしめて「言うのが遅くなったとしても、怒るわけないじゃん」と、涙よりも怒りが湧いた_普通伝えるべきだし、「ありえない」私は手紙を床に叩きつけた_封筒には、写真も入っていた_1枚目には、ペットボトルを抱える私が映っていた_それはあの日、偶然見つけた写ルンですで撮られた写真だった_恐る恐るめくると、元カレの姿は1枚もなかった_ぜんぶ日付が最近のもので、どれも私の後ろ姿だった_私がドライヤーをしているところや、キッチンで料理をしているところ、ソファで寝落ちしてる私の背中、ぜんぶ彼氏が撮った写真で、最初からこの写ルンですは彼氏のものだった_あのとき彼氏は『元カレのとか?』と嘘をついた_それは、いつか来る自分の立場を確認するためだった_そして『過去は捨てるタイプだから』と聞いて、彼氏は将来、私の邪魔にはならないと知って笑みを浮かべた_そのあと私が『あんたがいちばんだから』なんて言ったから、彼氏は病気のことを言えなくなった_あのとき、寂しそうに歩く彼氏の背中は、まだ迷っていたからだと気づいた_私は写真を床に落として、ひざから崩れ落ちた_写真をぐちゃぐちゃにして、彼氏のことを憎んだ_「病気のことを伏せるなんて、ぜんぜんかっこよくない」声を荒げた_「映画とか、小説みたいにしたかった? むりむり、さいていだから、こんな手紙まで残してさ、最後まで黙っててよ、ありえない、ほんとだいっきらい」そう床に手をついたとき、コーヒーを抱えた私が目に入った_車の中から撮られた私は、全然怒っていなかった_写真の中で私は笑っていた_『あんな顔されたらさ、言えないよ』それは、喧嘩になるからではなく、幸せそうに笑う私を失いたくなかったからだった_どんな状況でも、彼氏は私を笑顔にさせた_それくらい私たちは、愛し合っていた_だからこそ、向き合ってほしかった_あんなに愛していた彼氏は、もういなかった_彼氏の思惑通り、私は彼氏のことを嫌いになっていた_写真をばら撒いて、天井を見上げた_視界がぼやけて、声が漏れた_まぶたの裏には、彼氏の顔が浮かんだ_何度首を振っても、彼氏は片目を閉じて笑っていた『上書きだよ、上書き』隠せなかった本音だけが、私の耳には届いていた_悔しいけど私は、「ほんとむり……」それでも彼氏のことを愛していた_                

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